■読者の皆さまへ
昭和41年に設立された「明美ちゃん基金」は、時代の流れとともに、その役割を少しずつ変えながら現在に至っています。
貧しいがゆえに救われない命を救う−。設立当初は、重い心臓疾患に苦しみながらも、経済的な事情で入院や手術などの治療を受けられない国内の子供たちに対し、読者の方々から送られてくる善意の橋渡しを行い、数多くの幼い命を救ってきました。
その後、基金のキャンペーンが推進力となって、国や自治体の心臓病対策が前進。心臓疾患の子供の医療費は医療保険や公的扶助でカバーされるようになりました。
当初の社会的使命を達成した後は、川崎病の後遺症による心臓病や、海外の子供、医療発展のための研究活動などにも適用範囲を広げ、活動を続けています。
基金は今回、海外渡航による移植医療への基金適用を終了し、≪臓器移植(心臓、肝臓、膵臓(すいぞう)、腎臓など)によってしか延命の道が残されていない子供で、経済的な事情で入院や手術ができないと認められたもの≫とする適用基準を削除することを決めました。
この基準は渡航移植を念頭に作られたもので、昭和61年には胆道閉鎖症で肝臓移植が必要だった沖縄県の1歳の少女に対し基金を適用。少女は米国に渡り、肝臓移植手術を行いました。
しかし、現在は日本国内における移植医療が発展してきました。昨年7月には臓器移植法が改正され、15歳未満の子供からの臓器提供が可能になったことで、今年7月17日の法施行以降、日本国内でも子供の心臓移植手術が可能になります。
産経新聞社はこれまで国内での移植医療の推進を訴えてきました。基金としては、国内での心臓移植への道が開けたことで、海外渡航を前提とした移植医療への支援も役割を終えたと判断。基準の削除という結論に至りました。
その代わり、国内での心臓移植については基金が適用できるよう、適用される心臓疾患の範囲を広げることも併せて決めました。
基金は重い心臓病に苦しむ国内外の子供たちの命を救うための活動を続けていきます。ベトナムへの医療技術指導事業もその一環です。読者の皆さまに支えられてきた「明美ちゃん基金」を今後もよろしくお願いします。
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【用語解説】明美ちゃん基金
昭和41年6月、手術費が工面できず、心臓病で苦しむ鹿児島県の当時5歳の少女、伊瀬知明美ちゃんを救おうと訴えた産経新聞の記事をきっかけに設立された基金。「貧しいがゆえに死なねばならぬのか」と題したこの記事の掲載後、手術費用を大きく上回る善意が産経新聞に寄せられ「第2、第3の明美ちゃんを救おう」と基金が設立された。
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posted by ヤギシタ ヨシミツ at 21:24|
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